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アラウンド90を楽しもう!
GA70スープラ購入・リフレッシュ・カスタマイズ・レプリカ製作記

  第1回
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 当店でWRCレプなどグラフィック施工をさせて頂く車両は現行モデルなど新しいクルマであることがほとんどです。ちょっと古いクルマでも思い切りグラフィック施工をすれば見違えるようになるのに、そのようなお客さんは驚くほど少ないのです。ヒストリックカーな部類の方もいないんですよねー。(最近スペシャルなやつを1台やりましたが)
 車両価格が安いのだからその分気軽に大胆モデファイすればいいと思うんですけど…。そうするとクルマの新旧でステイタスを計るような価値観も超越できるんですけどねぇ。

 特にモータースポーツ上、ヒストリカルなモデルの忠実なレプリカの場合、その時代性を色濃く反映し、むしろ古いほど価値があるといった方向になります。ただホントにかなり古いモデルの場合はその入手、メンテナンスにかなりコストがかかる上、性能的に現代のクルマに大きくヒケを取り、稀少すぎて思いきったことがしづらいという難点があります。
 その点、
80年代後半〜90年代初期ごろのクルマ(名付けてアラウンド90(笑))ってちょっと入手しづらい場合もありますけど見付かれば爆安か格安。あちこちリフレッシュしてパーツ変えてレプしても全部で100万円もあればおつりが来るくらいです。(初期の4WDターボ車は壊れるところが多いのでもう少しかかるかもしれません)なかなか楽しそうじゃありませんか?

 それじゃぁ自らやってみよう!(すでにロスマンズレガシィやってますけど)というわけで、新鮮味のあるネタとしてマイナー(だけど割と好き)なものとして探していたものの一つがスープラ(70系)です。
 サファリで3連勝したGr.Bセリカ(TA-64)の後、Gr.AのセリカGT-FOUR(ST-165)登場までの“つなぎ”として、また高い信頼性、耐久性が要求されるサファリスペシャルとしてスープラがサファリラリーにワークスとして'87〜'89のサファリなどに参戦していたことはあまり知られていないようです。
 サファリでも時代遅れとなりつつあった後輪駆動、その割に重い車重、ダブルウィッシュボーンサスの問題、そしてツキのなさもあって見るべき成績は残していません。'87年のL.E.トルプ(故人)の3位がWRC最高位です。Gr.A黎明期は日本車暗黒時代。そしてセリカヒストリーにもスープラは含まれない。だからよけいにマイナーで資料も極端に少ないのです。
 しかし、というか、それだけに、大型アメリカンスポーティクーペといった出で立ちのスープラに、いかついアニマルバー、大型補助ランプを付けTTEカラーをまとったその姿は意外性抜群! 迫力は結構あります。もちろん実車を見たことないし、きっとトヨタも保存してないでしょう。そんなマシンを再現してみたい!と思ったわけです。

 ベースとなるスープラですがTTEが使っていたのはMA70初期型です。今、スープラの前期型は某オークションでもたまにしか出てきません。ボディの全塗装にはお金がかかるので白に限る、やはりMT、となるとかなり稀少です。
そんな中、出てきたのがこれでした。2006年8月のことです。


希少初期型!ワンオーナー!ツインターボ!車検付!旧車?」
 昭和61年式。1986年です。ちょうど20年前のクルマです。(もうそんな古いのか…) 格安ではないのですが、走行距離わずか 58,792km です。ラリー車とは違う2リットルツインターボですがそのほうが気軽に乗れますしそんなことは構いません。ナローボディなのが惜しいところですが、実車の写真を見てもワイドだかナローだかほとんどわからないくらいですからまあいいでしょう。前期ワイドボディ(3リットル)、白、MTなんて出てくるの待ってたら永久に入手できないかもしれませんから。ただ愛知県からの出品で、埼玉からはちょっと遠い…。お盆休みに直接見に行こう、問題なければ乗って帰ろう!と思いましたが諸般の都合でお盆休み明け後、陸送してもらいました。直接実車を見ないで&乗らないで買うリスクはありましたが思いきって。

 そしてとある猛暑の昼下がり、スープラ号がやってきました。あちこちそれなりにやれてますが、あまり手を入れてないのなら年式相応というところです。バンパーはこすり傷や欠け(?)がありますが、ボディのヘコミや補修跡、サビはほとんどなく、その点はグッドコンディションです。よくこんなノーマル状態で残ってたなという感じです。
 車内に入るとエアコンブロアファンのゴォ〜〜という大きめな音がなんか昔の特急電車みたいななつかしい雰囲気です。もちろんちゃんと冷えます。カーステは残念ながら死んでいるようです。

 とりあえずそこらへんを走ってみた感じですが、とてもツインターボとは思えないトロさです。ここ数年は放置に近い状態だったと思われます。そのためかなり眠いエンジンになってしまったようです。 ミッションやクラッチは走行距離が少ないだけに問題なさそうです。

続く・・・

14.OCT.2006 UP



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