インクジェットプリントについて

2006年より導入いたしました溶剤系大型インクジェットプリンタにより、フルカラー、グラデーション、写真などを含んだ高品質なオリジナルステッカーを小ロットでお気軽にお作り頂けます。印刷もののステッカーとしては十分な屋外耐久性があります。2013年、新機種導入によりホワイトやメタリック色も印刷可能になりました。

■溶剤系大型インクジェットプリンタとは
 原理的にはご家庭でご使用の水性インクジェットプリンタを油性(溶剤系インク)にして巨大化、カッティング機能を加えたものです。
 一般家庭用のプリンタと違い、直射日光に当たっても簡単には色褪せしません。もちろん耐水性もあります。
 そのままである程度の耐久性がありますが、摩擦や溶剤に強いとは言えない為に通常は表面に透明なフィルムを貼ってコーティングします。これをラミネートと呼びます。
 屋外耐久性は垂直面で3〜5年程度。水平面ではその半分程度だと思います。保証値ではありません。太陽光(紫外線)が長時間直撃する環境は過酷なのです。
 数年前までこの手の業務用大型プリンタといえば解像度が低く網点が目立ったりして趣味性の高いステッカーには厳しいものがありましたが最近のものは充分満足のいくクオリティが得られます。

■プリントできる色について
 C,M,Y,K,Lc,Lmの6色をかけ合わせることによりフルカラーで何色でも使用できます。ただし鮮やかなオレンジや鮮やかな黄緑は原理的にどうしても出ません。
ご家庭のインクジェットプリンタと違い白のプリントができます。
透明素材に単純にカラー印刷をすると下地が思い切り透けますので白の下地を印刷しながらカラー印刷することが出来ます。ただしそれでも下地が微妙に透けるのとインクコストが高いので大面積や大量印刷にはあまり向きません。白い素材(フィルム)に背景部分を印刷する方法もあります。

シルバーやゴールドの印刷も可能です。

こちらは透明素材にシルバーメタリック印刷。粒子感がなくメタリック感の弱めですがご了承ください。
メタリック色はほぼ透けません。




 

色味にこだわる方はカラーチャートをご請求ください。当店のプリンターで出力したものですので このカラーチャートの色番号(記号)でご指定頂ければ ほぼその通りの色を出力することができます。

リプロデカール等、新規製作のご注文確定であれば、ご希望があれば無料にてお送りいたします。

 

マーキングフィルムのシルバーやゴールドにプリントすることでメタリックの粒子感あるメタリックカラーのプリントも可能です。インクには透過性があり下地の色の影響を受けて濃いめになりつつ全体にメタリック調になります。狙った色が出しにくかったりしますが…。何かと制限がありますのでご相談ください。

シルバーベース ゴールドベース

■メディア(素材)について
通常フィルム
特に指定がない場合はこちらを使用します
中長期耐久、塩ビ、厚さ80ミクロン、比較的糊残りしにくい、低収縮、緩やかな曲面に追従、の割にはリーズナブルな素材を使用しています
再剥離フィルム
(塩ビ 厚さ約80ミクロン)短期間であれば はがしやすくノリ残りもしにくい素材です。
(何度も貼ったりはがしたりできるわけではありません) 短期用途に。
●三次曲面用フィルム(車両ラッピング用)
(塩ビ 厚さ約80ミクロン)
三次曲面に追従しやすい柔らかい素材。糊面にミクロのエア抜き溝付きでドライ貼りでも貼りやすい。後述するラミネートフィルムも専用のものを使用します。コストはかなり高いです。
●透明フィルム(塩ビ 厚さ約80〜90ミクロン)透けないよう下地に白のプリントが必要になったりします。
ヘアラインメタルフィルム 質感高い (塩ビ 厚さ約110ミクロン) 
メッキ調フィルム (塩ビ 厚さ約110ミクロン) 

■データ入稿について
 
ビットマップ系 JPEG,PSD(Photoshop Ver.5.5)など。アウトライン系 AI(adobe Illustrator CS2 ),EPS,PDFなど。
 ビットマップ系の画像からプリントする場合、ご家庭のインクジェットプリンターと同様に画面上で(作りたいステッカーの)1.5倍〜2倍のサイズがないとギザギザが見えてしまいます。

■輪郭カットについて

ステッカー本体の輪郭は機械で任意の形状にカット(型抜き)できますが、台紙(剥離紙)はカットされません。通常は当店で手作業で四角く切り分けます。原稿は輪郭カットするラインがわかるようにご指示ください。

あまり複雑な輪郭カットはできません。
鋭利な角はキレイにカットできない傾向があり、貼った後そこから剥がれやすくなります。鋭利な角(45度未満)は丸めてください。(ポジR、ネガRともR1以上)

左図は楕円のステッカーの完成イメージです。

ピンクの点線が輪郭カットするラインです。実際のカットは設定した位置から微妙にズレが発生する為、着色部分を1.5mm〜2mm程度拡張します。これを塗り足しと呼びます。

プリント後、一旦プリンタから外しラミネーターという機械で透明フィルムを貼り、再びプリンタにセットして基準位置マークを読みとってからカットする関係上、微少なズレの発生はやむを得ないものです。(小さなステッカーで設定位置より最大0.5mm程度、1m級の大きなステッカーで1〜1.2mm程度)

※近年は製作上一工夫、一手間かけることにより目立つようなズレはなくなってきています

ズレがあっても目立たないよう外周部分には単一色で、ある程度の余白部をもった原稿にしましょう。
外周部分に余白がないとデザイン部分が欠けたり余白が一定でないのが目立ってしまいます。
いくつかのピースに分割されるデザインの場合、そのままの位置関係で貼れるようにアプリケーションフィルム(転写シート)が必要になります。

割とレアケースですが、このように輪郭部分が2色でその境界部分で輪郭に角があるステッカーを作るのはちょっと難しくなります。
2色輪郭部分を拡張する時、このように拡張しないとズレが目立ってしまう可能性があります。
あるいは別の単一色の背景色を設定します。

■ラミネートについて
 先に述べたように耐久性を上げる為、通常は表面に透明なラミネートフィルム(厚さ約50ミクロン)を貼ってコーティングします。ただし
二層構造になるので多少厚みが増し、Rの小さな曲面にフィットさせるのは難しくなります。
 プリントしてからラミネートするまでにインクを十分に乾燥させる為、24時間以上おく必要があります。その為インクジェットプリントの納期は最短でも24時間以上必要です。
 実際にはラミネート後にプリント失敗発覚やカット失敗が起こることがあり、そうなると再プリントしてまた24時間必要になります。材料と時間的余裕さえあればすぐ作れるカッティングに対し、時間がかかりがちですのでご承知おきください。

 耐久性を必要としない短期目的のステッカーの場合はラミネートを省くこともできます。(コストが安くなります)

■印刷可能サイズは?
 印刷横幅は最大1300mm程です。特殊素材(メタル系)は幅の狭いものもあります。長さは数メートル(あまりに重いデータは困難)です。ステッカーとして輪郭カット(ハーフカット)を行う場合、両サイドに位置決めのトンボを印刷する必要がありますので印刷横幅を1250mm以下 にする必要があります。透明素材の場合は1200mm、メタル素材の場合は900mmほどです。

■最小ロット、料金について
 
最小ロットが1250mm幅くらいの出力メディアに1列に並ぶ数量(ホコリ混入等のロスを見込んでそれより1〜2個引いた数)で5千円(税別)、2列分で8千円(税別)、3列分で1万円(税別)といったところが目安です。(図案の縦横比によっても変わってきますのであくまで目安です)
 同時に何種類も極少量ずつ作りたい場合は都度お見積もりとなりますが、5千円(税別)を最小料金とします。

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